楽しむ電子遊戯（５１）

PIC16F84電子遊戯（５１）

最終更新日：２００１年１１月３０日

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掛け算九九マシーンのキースキャンのサブルーチン

掛け算九九マシーンのキースキャンはPIC16F84のポート数が少ないため、74HC138のデーコダＩＣがお手伝いをいたします。トータル１２キーのスキャンをこのＩＣを使用することにより、３本の出力端子と２本の入力端子で可能になります。
単純にスキャンすれば４ｘ３で７本の入出力端子が必要ですので２本得したことになります。
さて、実際のキースキャンですが、74HC138の出力を順番に駆動しながら、２本の入力ポートの状態を調べて押されているキーを検出します。
私のソフトでは次のようにひとまずキー番号を決めます。

74HC138出力	RB6入力	RB7入力
Y0	00h(SW1)	01h(SW7)
Y1	02h(SW2)	03h(SW8)
Y2	04h(SW3)	05h(SW9)
Y3	06h(SW4)	07h(SW10)
Y4	08h(SW5)	09h(SW11)
Y5	0Ah(SW6)	0Bh(SW12)
キー入力が無い	0Fh

例えばＹ０をＬ出力したときにＲＢ６ポートがＬであればキー番号を「００」とします。
詳細は別ページで公開するソースを見てもらえばわかると思いますが、キーはスキャン順を優先して１キーしか認識しません。従って例のようにキー番号が「００」と確定すると他のキーはスキャンしません。
サブルーチンからは、キー番号をＷレジスタに入れて戻ってきます。

掛け算九九マシーンのキー決定処理

今回の掛け算九九マシーンには本格的（？）なキー決定処理を導入しています。
キーを入力するときにチャタリングが発生しないようにしています。
まずキー処理に関するＲＡＭを定義しましょう。

key_data1	key_data2
１回目のキー番号	２回目のキー番号

単純に処理したキー番号は入力した数字と一致しないので、一度変換します。
その変換済みキー番号を入れるＲＡＭも定義します。

key_no	key_buff
変換済みキー番号	前回の変換済みキー番号

キー決定処理の概要を示します。

１回目のキースキャン（番号をkey_data1に入れる）
２回目のキースキャン（番号をkey_data2に入れる）
１回目の番号と２回目の番号が同じか調べる
同じ番号のときはチャタリング無しと判断する（それ以外は無効キー処理へ）
キー入力が無い時は無効キー処理へ
有効キーのときキー番号変換を変換する（変換済み番号をkey_noに入れる）
前回の変換済みキー番号と同じ番号であればキーＥＮＤ処理へ
新しく押されたキーとみなし、各処理を行う
数字を表示データに変換する
キーＥＮＤ処理	key_noのデータをkey_buffに入れる
無効キー処理	key_noとkey_buffをキー無しとする
キー処理終了

どうでしょうか、キー決定処理の流れはつかんでいただけましたか。
次に変換済みキー番号が入力した数字とどう対応するかの表も付けます。

入力キー	変換済みキー番号
[0]	00h
[1]	01h
[2]	02h
[3]	03h
[4]	04h
[5]	05h
[6]	06h
[7]	07h
[8]	08h
[9]	09h
[C]クリア	0Ch
[R]リターン	0Dh

掛け算九九マシーンのキー処理

各キーが新しく押された時の処理は、入力された数字の位置を示すポインタ input_p の値によって変化します。その概要を示します。

input_p	[0]から[9]の処理	[C]クリアの処理	[R]リターンの処理
0	数字表示（input_p=1）	初期に戻る（input_p=0）	処理無し
1	数字表示（input_p=3）	初期に戻る（input_p=0）	処理無し
2	---	---	---
3	数字表示（input_p=4）	初期に戻る（input_p=0）	処理無し
4	左シフト後数字表示（input_p=4）	初期に戻る（input_p=0）	答え判定

一応、答えを入れ間違えても直せるようにしてあります。（答えは左シフトしながら何文字でも入れられます）
式を間違えたときは[C]クリアキーで戻って下さい。

掛け算九九マシーンの答え判定

掛け算九九マシーンの答えの判定には難しい計算は一切しておりません。
正しいかどうかは予め入れてあるデータと比較しているだけです。
幸い、九九に限定すると式は１バイトのデータで表すことが可能です。。
そうです、掛けられる数字と掛ける数字を１バイトの上位４ビットと下位４ビットに圧縮するのです。

（例）２ｘ３　＝＞　２３ｈ

式を全て１バイトに圧縮し、そのデータに合致するところに答えのデータを入れておきます。

（例）２３ｈ　＝＞　０６ｈ

この答えと合っていれは正解！！　違っていれば不正解！！　となります。
次が、ここで使うＲＡＭです。

suji_m	kekka
圧縮したデータ	テーブルより求めた正解データ

ということで、今回はここまでとしましょう。次回はいよいよ完成です。

これからも益々面白くなる「PIC16F84電子遊戯」をよろしくお願いいたします。

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