アナログレコード再生プロジェクト（４６）

更新日：２０１７年７月４日
伊藤さやかを聴く
今回は花の82年組のアイドルのひとりとしてデビューした伊藤さやかさんです。私はTVドラマ「陽あたり良好」の女優さんとしてのイメージが大きいですね。とてもチャーミングで当時はかなり気になってました。それでは歌手としての伊藤さやかさんを聴きましょう。
（ナ・ン・パ・・・して！：1982年）
これは45回転の30cm盤です。6曲入りのミニアルバムです。でも45回転なんで33回転のLPよりかなり良い音質で聞こえるのは気のせいでしょうか。A面1曲目「天使と悪魔（ナンパされたい編）」、おっと思い出しました。この曲は聴いたことがあります。そうですね、デビュー曲でした。アレンジがちょっとテクノ調ですが、典型的なアイドルポップスですね。私はこのメロディ好きです。サビの部分の、YESかNOか・・・、というところはなんとも印象的で特に好きな部分です。A面2曲目「るんるん気分でDriving」、結構アレンジがテクノしてます。まあそんな時代だったということですね。最初に書きましたが、さやかさんは歌手と言うより、陽あたり良好、しか記憶に残ってません。すみません。でもこのサウンドは良いと思います。B面2曲目「1,000,000回 I LOVE YOU」、これはちょっぴりロック調です。決して歌は下手ではないと思いますが、ボーカルにうまくエコーがかけてあります。私はこの頃のさやかさんの声質はとても好きですね。ノリノリのサウンドがなんとも80年代ぽくって好きです。B面3曲目「そよかぜの誘惑」、ちょっと大人びた歌い方がなんともセクシーです。やっぱり45回転なんで全てのサウンドが良い音に聞こえます。典型的なアイドルポップスですが、途中の独り言がとてもしっとりとしてチャーミングです。メロディもしっかりとして良いと思います。なんともいえない懐かしさでした。こうしたレア品（私にとって）が入手出来るのもアナログレコード鑑賞の醍醐味ですね。毎週見ていた陽あたり良好を思い出して当時に浸っています。アナログレコードは一種のタイムマシーンのようなものですね。さやかさん、可愛かったです。
（ヨロシク◇されたい：1982年）
A面1曲目「GO! GO! POP-TOWN」、この頃のさやかさんの声質はとても良いです。サウンドもノリノリでアイドルPOP全開って感じです。ちょっとロック調を醸し出しているかもです。私は好きな曲です。A面2曲目「Aカップからのメッセージ」、なんか意味深な曲のタイトルです。歌詞はそのまんまです。今の時代、TVで歌えるでしょうか。でもこんな歌詞私は好きです。ボーカルはちょっと抑え気味ですが、歌声は可愛いです。ちょっと大人っぽく歌っているイメージでしょうか。サビの部分はメロディと共にとってもエロティック、いやAカップ（すみません）。A面4曲目「愛し淋し街角ローラー」、大人っぽいサウンドです。ミディアムテンポでじっくりと歌い上げるさやかさんはとても可愛いです。アレンジも可愛くなってます。当時の他のアイドルと比べたら、やっぱりちょっと成長している自分を見せているように感じます。正直、アイドルポップスではなくちょっと違った路線で売り出そうとしていたんですね。B面1曲目「星をながめて・・・（恋の因数分解×ても÷ても空中分解）」、なんか奇妙なタイトルの曲です。聴いてみると、かけても割っても、ということです。この歌声も好きです。サビの部分のメロディはとても覚えやすくて、とても可愛い歌になってます。最後の余韻もいいです。B面2曲目「恋って、ビョーキ!?」、キュートでポップな歌が続きます。でも歌い方にキャピキャピ感は全く無く、大人びた雰囲気を醸し出しています。サウンドは私のお気に入りのど真ん中のアイドルポップです。さやかさんにはやっぱりポップが似合います。無理にロック調にすることも無いと思います。B面4曲目「ひとりぼっちのヒーローとさみしがりやのヒロイン」、イントロが何か聖子さんっぽいです。別に比べるつもりじゃないですけど、こんなミディアムテンポの曲は本当に聖子さんの曲にそっくりです。でもさやかさんとして歌いこなしているところがすごい（いや、これはさやかさんの曲ですから）と思います。こうして当時のアナログレコードを聴く限りでは歌はうまいです。その時からもう少し夢中になっていても良かったのかなと今聴いて思います。TVドラマの、陽あたり良好、はとても可愛かったですから。当時、花の82年組の女性アイドル歌手としてはほとんど注目されていなかったと思いますが、今こうしてアナログレコードがその当時を思い出させてくれます。そしてもっと応援しておけば良かったと、そんなことを思い出させてくれるアナログレコードにあらためて感謝です。
（BROKEN GENERATION：1983年）
A面1曲目「グッド・バイブレイション」、この時の声はまだ聴きやすいです。無理はしていない感じです。ロック調ですが、アイドルソングっぽい感じです。この曲もノリノリで私は好きです。A面3曲目「エンドレス・サマー」、この曲はとても優しい声で歌ってます。でもちょっとかすれたようにも聞こえます。これは後に判ることになるのですが、声帯に変調をきたす前兆でしょうか。サウンドもとても優しい感じになっていてとても良いです。花の82年組としてデビューしながら、あまり日の目をみなかったのはなんだったのでしょうねえ。結構歌は上手いと思うのです。この曲も好きですね。B面1曲目「理由なき反抗」、さすがシングル曲です。私はこのイントロがとても気になります。そして好きです。サビのメロディも良いです。何かリアルタイムで聴いていた記憶が蘇ります。アレンジも良いです。さやかさんに合ったサウンドです。歌的にはとてもツッパッてますが、可愛かったですよ。大ヒット曲はないけれどファンでしたね。B面3曲目「不良症候群」、この曲もいいですね。B面1曲目と同じくヒットメーカーの鈴木キサブローさんの作曲です。メロディ、アレンジが私好みです。とても良いと思います。B面4曲目「フォーエバー・ヤング」、いきなりのバラード調をもってきました。とても落ち着いたサウンドです。こんな曲が心を癒してくれます、さやかさんの歌声と共に。とても良かったです。B面5曲目「ブロークン・ジェネレーション」、どのクレジットを見ても当時のヒットメーカーの先生揃いです。これは伊藤銀次さんの曲です。とてもしっとりとしたサウンドです。この頃の声は結構かすれてます。ちょっとしんどそうな歌い方になってきています。リアルタイムにそういう声の変調を知ってあげることが出来ず、ささやかなファンとしては、心残りです。この曲も良かったです。当時のアナログレコードを聴くことで私自身も若い頃の自分に戻れたような感覚になってとても幸せです。アナログレコードって本当に良い記録メディアですね。
（POSITIVE SMILE：1983年）
このレコードも45回転の30cm盤です。6曲入りのミニアルバムです。A面1曲目「スターティング・オーバー」、ちょっと声が変わってきてる印象です。ちょっとバラード調のサウンドです。何か苦しそうに声を出しているように聞こえます。大人びたというんでしょうか。後に声帯に変調をきたしたとのことでしたので、その影響が出ていたかもしれません。サウンド的には最初のアルバムからは大きく変化しています。とっても大人的で既にアイドルではないような雰囲気です。A面3曲目「東京ナイト」、うーーん、大人びているっていうのかな、しんどそうに歌っているのが気になって仕方がないです。サウンドは良いです。多分、さやかさんは苦労して歌っていたのではないかと推測します。サビのメロディがとても好きです。さやかさんは当時のアイドルとしてはとっても可愛かったんですよ。ジャケットからもその雰囲気が充分伝わってきます。このあたりもアナログレコードの醍醐味です。アナログレコードを聴いてジャケットを見ながら当時にタイムスリップする。私にとっての癒しの時間ですね。B面2曲目「レディー・レディー・レディー」、おっとこのメロディ良いです。私好みです。ロック調が少し入ってます。さやかさんが一生懸命に歌っているのがこちらにひしひしと伝わってきます。頑張って下さいと応援したくなりました。B面3曲目「素敵にジングルベル」、作曲のクレジットに、Tsuyoshi Nagabuchi とあります。なんと長渕剛さんの作曲なんです。いかにも長渕節、そんなふうに聞こえます。このアルバムの中で一番好きな曲になりました。歌詞はとてもせつないですが、良い歌です。今更ですが、発見した名曲です。メロディも切なさを漂わせています。サビもいいですね。うーーん、アルバムの最後に相応しい曲でした。やっぱり、45回転は良い音がします。6曲程度しか入りませんが、こんなミニアルバムの売り方も、今の時代でもありかなと思います。音のダイナミックレンジを広く感じます。こうして当時のアナログレコードを聴いていると名曲にも出会うことが出来ます。素晴らしきかなアナログレコード。ありがとうございました。
実は伊藤さやかさんのレコードを聴いた順番は1枚目、4枚目でした。中古のレコード屋さんで偶然見つけた1枚目のアルバムから、別のレコード屋で4枚目を発見。どうしても、さやかさんの声がどの辺りから変わっていったのかを実際に聴いて知りたくなりました。ということで、2枚目と3枚目はネットで購入したのです。こんな風に、アナログレコードは何かを夢中にさせるものを持っているように思います。これからもアナログレコードを聴き続けていきましょう。次回もご期待下さい。

アナログレコード再生プロジェクトへ戻る